FX自動売買のトラリピは、レンジ内にトラップ注文を仕掛けるため、レンジ内で価格変動する限り、為替差益を得ることが可能です。
一方で、為替相場はレンジ7割、トレンド3割とも言われ、ずっとレンジが続くと甘く考えていると、たまにやってくるトレンド相場で、思わぬ含み損とロスカットで痛い目を見ることがよくあります!
したがって、トラリピ運用では、このトレンド相場によるレンジアウトが起きた場合の対策が必要なわけです。
定番のレンジアウト対策とは
レンジアウトした場合の定番の対策には、以下の4つが挙げられますが、メリットとデメリットそれぞれ解説してみたいと思います。
追加入金してポジション維持
まず、オーソドックスな対策が追加入金してポジションを維持する方法です。
FX会社の取引ルールでは、証拠金維持率が100%を下回ると強制ロスカットが発動されることが多いですが、この強制ロスカットを回避するために追加入金するわけです。
メリットとしては、買いトラリピ運用の場合は、買いポジションを維持することによって、時間を武器に評価損をスワップポイントで相殺する作戦が取れることです。
一方で、今回のユーロ円売りのレンジアウトでは、スワップポイントの支払側だったので、この作戦は使えませんでした。
デメリットとしては、FX相場ではいったんトレンドが出るとかなり大きな動きとなって、含み損の急拡大と証拠金維持率の急低下が起こることもあり、資金の追加が間に合わなくなる怖さがあります。
ナンピン買い(売り)
ナンピン買いは、含み損が買いポジションの場合において、逆張りで買い続けることで、平均購入単価を下げる戦法をいいます。
メリットとしては、仮に、相場が反転したときに、含み損を解消できるだけでなく、より大きな利益を得ることができます。
両建て
両建てはその名のとおり、含み損が買いポジションであれば同量の売りポジション(含み損が売りポジションであれば逆)を建てることをいいます。
両建てのメリットとしては、買い方(または売り方)の含み損が拡大することを防いでくれるので一定の効果が期待できます。
一方で、両建てのデメリットとしては結局のところ、損失の確定を先送りしているだけであり、長くポジションを持ちすぎると買い売りのスワップポイントが同値ではない場合に影響が出るんですよね。
出典:マネースクエア公式ホームページ ユーロ円スワップカレンダー
例えば、ユーロ円のトラリピ運用をする場合、両建てをしたとしても、売り方のスワップポイントの方が高いため、その差額分のスワップポイントを支払う必要があるわけです。
また、両建てでポジションを固定して急場をしのいでも、相場が反転するまで、長期間資金拘束されてしまうことはデメリットといえます。
全ポジション損切りまたは一部損切り
最後にご紹介するのが、全ポジションまたは一部ポジションを損切りする手法です。
メリットとしては、ポジションを一部でも整理することによって、拘束資金が解放されますし、証拠金維持率を回復させることができます。
ただ、ポジションを損切りすることは心理的に負担がかかりますので、一気に整理するのではなく、徐々に整理するのがいいかもしれません。
というわけで、各レンジアウト対策を表にまとめるとこうなります。
確かに、kotetsu自身もかつて保有ポジションがレンジアウトした際は、追加入金したり、両建てしたり、といろいろ手を尽くしたことがありました。
ただ、やはり一度レンジアウトしてしまうと、なかなか元の運用状況に戻すのが難しく、最終的には全部損切して、いったんポジションを清算することが多かったです。
レンジアウトは事前対策が重要
このように、レンジアウト対策をいろいろ述べてきましたが、結局は損切りして清算することが多かったと反省しています。
ここまで解説してきたとおり、トラリピ運用ではいったんレンジアウトしてしまうと、かなり幸運が巡ってこない限り、損切りやロスカットという形で最悪の結末に至ることが多かったですよね。
ということは逆に考えれば、レンジアウト対策は事後ではなく、事前対策をしておけば最悪の結末を回避できると思いませんか?
では、レンジアウト対策の事前対策とはどんなものなんでしょうか?
事前対策のポイント
事前対策としては、下記の条件を満たすようにトラリピ運用してみることを提案します。
- 相場変動が小さい通貨ペアを採用
- レンジアウトした場合のためにヘッジ機能を持たせる。
- 安全性と収益性を両立させる。
まず通貨ペアの選び方ですが、今回のユーロ円のレンジアウトでも見られましたが、ドル円やクロス円は、インフレによる金利差によって為替変動が大きくなってきました。
そのため、ドル円やクロス円を使用すると想定レンジが広くなり、必要資金の増加やリスト度が高くなるため、相場変動が小さい通貨ペアを選んだ方が良いでしょう。
次に、レンジアウトについては100%回避することは難しいので、仮にレンジアウトした場合に含み損を相殺するヘッジ機能として、相関度の小さい通貨ペアを組み合わせることをおすすめします。
最後に、レンジアウトを避けるため、かなり安全度を高めた戦略もありますが、それではFX自動売買で運用するメリットがなくなってしまいます!
でも実は、1と2の条件を満たす通貨ペアを選ぶことで、安全性と収益性を両立することも可能ということが近年わかってきました(詳細は後述します。)
レンジアウトを克服する戦略はあるの?
次に、上記の条件を満たす運用戦略を具体的に解説していきましょう!
順に解説していきますと、世界戦略を構成する3通貨ペア(ドルカナダ(USD/CAD)、ユーロポンド(EUR/GBP)、オージーキウイ(AUD/NZD))はいずれも相場変動が小さい傾向にあります。
これは世界戦略の3通貨ペアが円が絡まないこと、お互いに地理的にも経済的にも深い関係にあり、似たような国同士による通貨ペアであることから、ここ10年ほどは為替変動が比較的小さい傾向にあります。
また、相関度についても、ユーロポンドはオージーキウイとは-0.11、ドルカナダとは0.13となっているほか、オージーキウイとドルカナダとは-0.05となっており、この3通貨ペア同士はほとんど相関関係がないことがわかっています。
出典:マネースクエア公式ホームページ
仮に、1つの通貨ペアだけがレンジアウトをした場合でも、残り2通貨ペアで損失をカバーするという戦略を立てられます。
また、3通貨ペアの分散運用の結果ですが、実際に運用してみて分かったんですが、長期的に含み損を抑えつつ、収益性も両立することができているのです!
というわけで、レンジアウト対策としては、トラリピ世界戦略が有効な戦略といえるのではないでしょうか?
こちらもCHECK
-
トラリピ世界戦略なら30代から効率よく資産運用できるってホント?
kotetsuが実際に運用している「トラリピ世界戦略で毎月10万円収益プラン」なら、本当に月間10万円以上の副収入を稼ぐことができます!! 月によって稼げる利益は変化しますが、例えば2023年3月は約 ...
続きを見る